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<益税ではない!>インボイス制度で消費税の益税を無くすという真っ赤な嘘

消費税の嘘

今年の10月から消費税に関する新しいルール「インボイス制度」が始まります。インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」です。

政府の説明によるとインボイス制度は複数税率の元で適正な課税を実現するために必要な制度だと言いますが、制度の実態を見てみると消費税の免税事業者を排除する内容です。

そこでこの記事ではインボイス制度で益税を無くすという嘘について解説します。ぜひ最後までご覧いただき参考にしてください!

インボイス制度とは

インボイス制度は政府の指定するフォーマットで作成した適格請求書で取引を行い、売手・買手ともに適格請求書を保存しておくことで初めて仕入税額控除を利用することができる制度のことです。

消費税は事業者の売上高に対して課税されており、仕入の際などに支払った消費税は「仕入税額控除」により差し引かれて納税金額が決まります。いままではどのような請求書でも仕入税額控除を使うことができていましたが、インボイス制度が始まると適格請求書以外の請求書では仕入税額控除を利用できなくなってしまいます。また適格請求書を発行するためには消費税の課税事業者になる必要があります。

つまり今までは課税事業者が免税事業者から商品やサービスを購入した際にも仕入税額控除を利用することができていましたが、インボイス制度が始まると免税事業者から購入した商品やサービスについて仕入税額控除を利用することができなくなってしまうのです。

消費税の「益税」とは

益税とは顧客から預かった税金を国庫に納付せずに自社の利益としていることを言います。また消費税に関する益税とは主に免税事業者や簡易課税制度を選択している事業者において、顧客から預かった消費税の一部、もしくは全額を国庫に納付せず自社の利益にしていることと言われています。

しかし消費税に益税はありません。これは裁判の確定判決(東京地方裁判所 平成元年(ワ)5194号 判決)でもはっきりしていることであり、消費税はあくまで対価の一部であり、徴税の一過程において税額の一部を横取りすることにはならない。との判決が出ています。

実際に消費税は課税売上高から課税仕入高を差し引き納税金額を求めています。消費者から預かった消費税をそのまま国庫へ納付するのであればこのような回りくどい計算は不要です。このことからも消費税に益税はないことが分かります。

インボイス制度に大義などない

インボイス制度がスタートする理由として政府は「複数税率の元で適正な課税を実現すること」や「益税を解消するため」などと答弁しています。

しかし複数税率の元で適正な課税を実現するのであればインボイス制度から免税事業者を排除する必要はありません。またそもそも消費税に益税など存在していないため、益税を解消するためというのもデタラメであることが分かります。

つまりインボイス制度に大義など何もありません。インボイス制度の本当の目的は小規模事業者の排除、将来的な消費税率の引き上げにあったのです。

小規模事業者を排除したい政府

内閣府のアドバイザーであるデイビット・アトキンソン氏は言いました。「生産性の低い中小企業は潰すべきだ」と。いまの日本政府は彼の提言をそのまま実行しているのではないでしょうか。

インボイス制度は中小企業・フリーランスに大きなダメージを与えるためには十分すぎるほど完璧な制度です。そのために作られたのでは?と思えるほど中小企業、フリーランスの方を狙い撃ちにした消費税の増税がインボイス制度だったのです。

今までは年間売上1,000万円未満の小規模事業者は消費税の納税が免除されていました。しかしインボイス制度が始まれば免税気業者と課税事業者との間で取引をする際に課税事業者の消費税負担が増えることになり、結果として課税事業者は免税事業者を排除するようになります。

これを避けるために免税事業者は本来消費税の納税義務がないのにもかかわらず、自ら「消費税を支払います」と手を上げ課税事業者になることでインボイス制度の登録を受けることになります。そうなれば消費税計算の事務負担や消費税負担が増えることで廃業へと近づきます。しかし登録しなければ課税事業者との取引が困難になり、同じく廃業に近づくことになってしまうのです。

将来的に消費税率を引き上げたい政府

インボイス制度がスタートすると消費税率をより細かく設定できるようになります。たとえば食品の消費税率は8%のまま据え置き、ブランド品に関する消費税率のみ20%にアップする。このようなことも簡単にできるようになるのです。

インボイス制度がスタートすれば政府は批判が出にくい贅沢品などのジャンルから徐々に消費税率をアップしていき、知らない間に全体的に消費税が上がっている。このような社会になりかねません。

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このようにインボイス制度はより細かく消費税率を設定することを可能とし消費税の増税を簡単なものにします。つまりインボイス制度の開始は消費税増税へのカウントダウンスタートと言えます。

このようにインボイス制度はより細かく消費税率を設定することを可能とすることで消費税の増税を簡単なものにします。つまりインボイス制度の開始は消費税増税へのカウントダウンスタートと言えるでしょう。

ひどすぎるインボイス制度をボイコットしよう!

今年の10月からスタートするインボイス制度。ですが、インボイス制度への登録は課税事業者・免税事業者ともに「任意」です。インボイス制度に登録しなかったからと言って罰せられることはありません。またインボイス制度は多くの事業者が登録しないことにはスタートすることができません。

そこで皆様にやって頂きたいのがどんぶり勘定事務所の神田先生が主催する「インボイス制度ボイコット大作戦」です。これはインボイス制度の登録期限である2023年9月30日ギリギリまで登録をしない。すでに登録してしまっている方は登録を取り下げ、9月30日ギリギリまで登録しない作戦です。

政府はインボイス制度開始前に登録率をチェックしこのまま進めるか中止にするかを判断するはずです。なぜなら多くの事業者が登録していない状態でインボイス制度を始めることはできないからです。このインボイス制度ボイコット大作戦が成功すればインボイス制度を延期、もしくは中止にすることができます!

ぜひ小規模事業者を守りたい、消費税率をアップさせたくない。そうお考えの方はインボイス制度ボイコット大作戦への参加および拡散にご協力をお願いいたします。なおインボイス制度登録の取り下げ書は下記ページより無料ダウンロードいただけます。

インボイス制度の取り下げ申請書はこちら

この記事を書いた人
1999年1月30日生まれ。水瓶座。タックスレンジャーでの情報発信活動を通して希望あふれる社会を目指す。毎年2万人以上もの人が自らの意思で命を落としてしまっている今の現状を変えていきたい。

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