国民負担率は税金と社会保険料の負担率を示したものです。財務省の発表によれば令和3年度の国民負担率(実績)は48.1%でした。私たちはお給料の約半分を国や地方公共団体へ納めていることになります。
また岸田政権は財政赤字を理由としてさらに税負担・社会保険料負担をアップしようとしています。つまり将来的には今よりも国民負担率が上がり六公四民時代になってしまう可能性が極めて高くとても危険な状態です。
そこでこの記事では「五公五民時代の再来と六公四民時代の恐怖」をテーマとして国民負担率を下げるべき理由について解説します。ぜひ最後までご覧いただき参考にしてください。
令和3年度の国民負担率は48.1%でした。つまり約半年間のあいだは国や地方公共団体へ税金を納めるために働いています。しかし会社員の方は給与から税金や社会保険料が源泉徴収(天引き)されており、実際にどれくらいの負担なのか実感しにくいのが現状です。
ですが、2日出勤したら1日分は税金や社会保険料のために働いていると思うと恐ろしいものがありますよね。しかしそれが今の日本の現状だったのです。
お給料が上がらない中で税負担・社会保険料負担だけが上がり続けています。その結果、私たちはどんどんと貧しくなっており、実際に可処分所得も下がる一方。これこそが少子高齢化の原因なのではないでしょうか。
グラフにすると一目瞭然。税負担が増え、可処分所得が減っていることが目に見えて分かります。すると当然購買意欲は低下し、消費が落ち込みます。消費が落ち込めば企業は売上を上げることができず、当然従業員のお給料も上げることができません。
しかし税負担は一方的にどんどんと上がっていきます。それが少子高齢化の最大の原因なのだとタックスレンジャーは考えます。実際に小泉内閣時代に実施したアンケートにおいて下記の結果が出ています。
小泉内閣時代にメールマガジンにて「少子化に歯止めをかけるための政策ニーズ」についてアンケート調査を実施しました。その結果、「経済的支援の充実」や「安心して産み育てられる生活環境の整備」が上位にランクイン。つまり国民は経済や生活環境の改善を求めています。
しかし今の岸田政権は何をしているのでしょうか。次元の異なる少子化対策と唄いながら国民からその財源をかき集めようとしています。それでは経済的支援の充実にはなりません。
今の自民党は保育園の無償化や給食費の無償化など「子育て政策」に力を入れています。もちろん子育て政策も重要ではありますが、少子化対策と子育て政策は根本的に異なっています。なぜならそもそも「子供を産みたくても産めない」という方が大勢いらっしゃるからです。
小泉内閣時代のアンケートは古すぎると言うご意見も多いかと思いますので、一般社団法人マザーアンドチャイルド協会が実施したアンケート結果を見てみましょう。
これはマザーアンドチャイルド協会が2023年2月に実施したアンケート結果です。小泉内閣時代のアンケート結果とほとんど変わらず、子供を産めない理由は経済的理由が最も多く、次の「仕事と家庭の両立が難しいため」も言い換えれば経済的理由と言えます。
つまり自民党政権は長年与党として政策を進めてきながらも何一つ改善していないことが分かります。今も昔も「経済的理由が少子化の原因なのだ」と分かっていながら子育て政策ばかりに力を入れ、少子化対策を全くしてきませんでした。
いまも次元の異なる少子化対策と唄いながら的外れの政策ばかりしています。
少子化対策のために回りくどい政策は不要です。少子化の原因が「経済的理由」と分かったのであれば経済的にゆとりを持てる社会を作る。それこそが最大の少子化対策であるはずです。
そのために必要なのが消費税の廃止。消費税には逆進性という問題点があり、貧困層ほど負担が重くなる性質を有しています。つまり消費税を廃止にすることでお金があまりない人ほど多くの恩恵を受けることができます。また消費税を廃止にすることで物価が下がり、結果として私たちが使えるお金である可処分所得がお給料の1ヶ月分アップすると言われています。
このような理由から少子化対策には消費税を廃止にすることが一番効果的であるとタックスレンジャーは考えます。
岸田政権の掲げる”自称”次元の異なる少子化対策と逆行する政策があります。それが今年の10月から始まる消費税に関する新しいルール「インボイス制度」です。
政府はインボイス制度を導入する理由として「複数税率の元で適正な課税を実現するため」だと言いますが、制度の実態をよく見てみると単なる免税事業者をターゲットとした消費税の増税であり中小企業・フリーランスの方からさらに消費税を搾り取るような政策です。
これでは少子化がさらに加速するでしょう。
いまの日本は絶望に満ちた生きる希望がない国といっても過言ではないでしょう。なぜなら2万人以上もの方が自らの意思で命を失ってしまっているからです。実際に警視庁のサイトから自殺者数の推移のデータをご紹介いたします。
このように今までは下がっていた自殺者数が令和3年から増えています。令和3年と言えば岸田内閣がスタートした年でもあります。相関関係があるとは言いませんがこれが事実です。
また自殺者数は2万人を下回っていることがありません。日本では毎年2万人以上もの方が自らの意思で命を絶つ決断をしてしまっているのです。なぜでしょうか。警視庁では原因も分析しています。
このようになっており、令和4年度では家庭問題4,775人、健康問題12,774人、経済・生活問題4,697人、男女問題828人、学校問題579人、その他1,734人という結果になりました。このうち少なくとも経済・生活問題4,697人の命、健康問題12,774人の命は政治の力で救うことができた命であると確信しています。
なぜなら日本の生活保護補足率は日本弁護士連合会の調査によるとわずか2割程度。生活保護の受給資格があるほどお金がなくて困っているのにもかかわらず8割の方は生活保護を受けることができていません。
結果として、ろくな食生活を送ることができずに添加物あふれた栄養バランスの悪い食事をする。これで体調を崩すのは必然ですよね。しかしお金がないため病院に行くことはできません。
健康問題も言い換えれば経済・生活問題であると言えるのです。
五公五民時代のいまですら毎年2万人以上が自殺を選ぶほど生きる希望がない社会になっています。それが六公四民になったらどうでしょうか。
2009年ほどから徐々に低下してきた自殺者数ですが、ここ最近自殺者数が増加してきています。六公四民時代になればさらに貧困な方が増え、自殺者数も増えてきてしまうのではないでしょうか。
六公四民時代はなんとしても阻止しなければなりません。
政府は税収からすべての国家予算を補う「プライマリーバランスの黒字化」を目指しています。しかしいまの日本に必要なのはプライマリーバランスの黒字化ではありません。いまの日本に必要なのはプライマリーバランスの赤字化だったのです。
プライマリーバランスを黒字化することは国民により多くの税負担を求めることになり、ただですら48.1%と非常に高い国民負担率をさらに押し上げることになります。また増税をせずに歳出削減を行う場合においても行政サービスの質の低下を招き良いことなどひとつもありません。
いまの日本に必要なのは増税ではなく減税です。減税を行うことで高すぎる国民負担率を是正し国民生活にゆとりを持たせることこそが次元の異なる少子化対策になるのではないでしょうか。